本棚の住人、Konohaです。
私の読書スタイルは、積読がなくなったら一気にまとめ買いするタイプです。だいたい1〜2ヶ月で積んだ本を読み切ってしまうので、そのサイクルで次のまとめ買いをしています。
前回の4月購入分を、無事に読み終えることができました。積読が底をついてしまうと落ち着かないタイプなので、あっという間に次のまとめ買いへ。好きな作家の続編が気になっていたこともあり、気がつけば今回は13冊まとめて購入していました。お財布の声には耳をふさぎながら、カートに入れ続けたことをここに白状しておきます。
ミステリー、ホラー、そして島田荘司さんの御手洗潔シリーズ続編と、今回もこのブログらしいラインナップが揃いましたのでご紹介していきます。
「龍臥亭事件」を読み終えた瞬間から、石岡さんのその後がどうしても気になって仕方なくなってしまいました。
読み終えた直後に続編を検索していた自分がいたので、もうこれは買うしかないと続編2作をまとめてカートに入れていました。
龍臥亭幻想 上・下/島田 荘司
石岡和己、犬坊里美、そして加納通子——。雪に閉ざされた龍臥亭に、八年前のあの事件の関係者が、再び集まった。雪中から発見された行き倒れの死体と、衆人環視の神社から、神隠しのように消えた巫女の謎! 貝繁村に伝わる「森孝魔王」の伝説との不思議な符合は、何を意味するのか?
「龍臥亭事件」に引き続き、あの場所にあの人たちが再び集まる——それだけで読まずにはいられませんでした。「衆人環視の神社から神隠しのように消えた巫女」という謎の引きが強くて、前作でも感じた「本格ミステリ×土着の怪異」の雰囲気がさらに深まりそうで楽しみです。上下2巻という大作ですが、前作も読みごたえを感じながら読み切れたので、今回も腰を据えて挑みました。
購入後すぐに読み終えてしまいました。御手洗潔シリーズの中でもひときわスケールの大きな一作で、読みごたえがありました。真相が明らかになっていくにつれて、犯人の背景に思わず同情してしまいました。
ただ謎を解くだけでは終わらない、悲しい読後感が残る作品でした。そしてひとつ後悔しているのは、吉敷シリーズをまだ一冊も読んでいない状態でこの作品を読んでしまったこと。読み終えてから「先に読んでおけばよかった……」と思ったので、近いうちに吉敷シリーズにも手を伸ばしてみようと思っています。


犬坊里美の冒険/島田 荘司
衆人環視の総社神道宮の境内に、忽然と現れて消えた一体の腐乱死体。容疑者として逮捕・起訴されたホームレスの冤罪を晴らすために、司法修習生・犬坊里美が活躍する! 里美の恋と涙を描く青春小説として、津山・倉敷・総社を舞台にした旅情ミステリーとして、そして、仰天の大トリックが炸裂する島田「本格」の真髄として、おもしろさ満載の傑作司法ミステリー。
「龍臥亭幻想」に登場する犬坊里美という人物がとても印象的で、そういえば彼女が主役の作品があると知って、迷わず一緒にカートに入れました。旅情ミステリーとして楽しめるところも嬉しいです。「仰天の大トリック」という紹介文が気になり始めたら止まりませんでした。そして、龍臥亭でいつも一緒にいた石岡さんがこの物語でどんなふうに絡んでくるのかも、今から楽しみでなりません。

ダクダデイラ/餅屋 蛾
本書は、過去十数年にわたって作者が収集してきたネット上の怪文書を、誰かと共有できたらと思い投稿していたものになります。その中の一つに「ダクダデイラ」という物があり、これを表題としています。掲示板の片隅からSNSの暗部まで幅広く怪文書を収集していく中で、運営や通報により削除対象となった文書も多数含まれていました。書籍化にあたっての文書の選別により、ネット上では過激過ぎたり、不道徳過ぎて既に削除された文書も収録し、結果的に公開分より約1/3の増量となっております。
「ダクダデイラ」という文字の並びが、まず意味をなさないのに不気味で、手に取らずにいられませんでした。ネット上の怪文書を収集した、いわゆるモキュメンタリー形式の作品は最近よく見かけるようになりましたが、この本には「ネット上では過激すぎたり、不道徳すぎて既に削除された文書も収録し、結果的に公開分より約1/3の増量」という一文があって、もうそれだけで興味津々でした。削除されたものまで収録している、というその事実が妙にリアルで、理性ではなく本能でカートに入れていました。

自由研究には向かない殺人/ホリー・ジャクソン
イギリスの小さな町に住むピップは、大学受験の勉強と並行して「自由研究で得られる資格(EPQ)」に取り組んでいた。彼女のテーマは、5年前に起きた殺人事件の真相を探ること——。各ミステリーランキング海外部門で軒並み上位を記録した話題の翻訳ミステリー。
各ランキングで「これは読まなければ」と名前を見かけるたびに気になっていた一冊です。「自由研究として殺人事件を調査する女子高生」という設定のユニークさに、読む前からわくわくしています。翻訳ミステリーはのんびり読むことが多い私ですが、この設定ならきっとページをめくる手が止まらないはずです。

黒い家/貴志 祐介
顧客の家に呼ばれ、子供の首吊り死体の発見者になってしまった保険会社社員・若槻は、顧客の不審な態度から独自の調査を始める。それが悪夢の始まりだった。第4回日本ホラー小説大賞受賞作。
ホラー小説好きなら読んでおかなければいけない一冊、とずっと思いながらなかなか手が伸びていませんでした。
そんなときに、自分のブログで書いている[ベストセラーランキングの記事]を確認したら、今もしっかりランクインしているのを見てしまって。「これはもう買うしかない」と今回ついに購入しました。貴志祐介さんの作品を読むのは今回が初めてです。どんな恐怖が待っているのか、期待と少しの怖さを抱えながら読み始めようと思います。

禍家/三津田 信三
12歳の少年・棟像貢太郎は、東京郊外に越してきた。しかし、初めて住むはずのその家に既視感を覚えると、怪異が次々と彼を襲い始める。やがて貢太郎が探り出した、家に隠された驚愕の真実とは!?
きっかけは、自分のブログで[三津田信三さんの作品まとめ記事]を書いたことでした。改めて作品一覧を並べてみたら、まだ読んでいないものがこんなにあるのかと気づいてしまって。それなら何か一冊買おうと探したときに目に入ったのが「禍家」でした。
三津田さんの家ホラーは信頼できる、という確信があるので迷いはなかったです。「禍」という一文字がタイトルになっているだけで何か不吉なものを感じますし、越してきた家への既視感という設定も、読む前からじわじわとした不安感をかき立てます。

澤村伊智さんの新作が5月に2冊出ていたので、迷わず両方購入しました。比嘉姉妹シリーズは一番好きなホラーシリーズのひとつなので、新刊情報を見た瞬間にカートに入れていました。
ととはり屋敷/澤村 伊智
最強の霊能者・比嘉琴子には6人の弟妹がいた。だが、生き残ったのは真琴だけ。弟の双子・龍也と虎太を襲ったキャンプ場の惨劇、その下の弟の肇が挑んだ少年野球チームの怪、末子の栞が命がけで対峙した凶悪な獣。住人不在となった比嘉家は、いつしか呪われた家として話題を集めていた。家に現れる「ととはり」という文字列と、人を襲う化け物の正体とはーー。家族の歴史を紐解く、比嘉姉妹シリーズの前日譚となる短編集!
比嘉姉妹シリーズの前日譚というだけで購入確定でした。真琴と琴子の物語は何冊も読んできましたが、他の弟妹たちに何が起きたのかはずっと気になっていたので、そこに踏み込んでくれる一冊が出るとは。「ととはり」という文字列の響きがまたじわじわと不気味で、早く読み始めたい気持ちが止まりません。

ざんどぅまの影(5)/澤村 伊智
1981年、神奈川県Q区。沖縄からの移住者が暮らす街で新生活を始めた篤は、ある夜、「びしゃっ」という水の音と共に、全身ずぶ濡れの人影を目撃する。その日を境に、Q区の住民が次々と”自宅で海水に溺れ死ぬ”という異様な死を遂げていく。街が疑心暗鬼に包まれ、自警団が結成される中、篤は”おばぁ”と呼ばれる比嘉勝子のもとを訪ねるーー。
「自宅で海水に溺れ死ぬ」という異様な死の連鎖……読む前からもう怖いです。沖縄の土着的な雰囲気と都市部の日常が交差するこのシリーズは、澤村伊智さんの民俗ホラー的な側面が全開で大好きなんです。追ってきた分、物語がどこへ向かっていくのか気になって仕方ありません。

七人怪談/加門 七海・菊地 秀行・澤村 伊智・霜島 ケイ・名梁 和泉・福澤 徹三 ほか
「これは、わたしが小学校の、高学年だった頃の話です」——少女が雑誌に投稿した、ある家族を襲った不気味な怪異の記録。悪化していく一方の父の怪我、何者かに乗っ取られ不気味な笑い声をあげる妹。そして親類たちの死。霊能者”マツシタサヤ”によって怪異は鎮められ、記録は締めくくられる。だが、この投稿を皮切りに、マツシタサヤを巡る不可解な記録が世に溢れはじめ……(澤村伊智「サヤさん」)
澤村伊智さんが参加しているアンソロジーと知って手に取りました。そして参加作家を確認したら三津田信三さんのお名前も。澤村さんと三津田さんのふたりが同じ一冊に収まっているというだけで、もう買い確定でした。加門七海さん・菊地秀行さんなど実力派が揃った一冊というだけで信頼感が違います。澤村伊智さんの「サヤさん」というタイトルだけですでに何かきな臭さを感じますし、7人それぞれがどんな怪談を持ち込んできたのか今から楽しみです。

小林泰三さんの作品に絶賛はまり中。「ドロシイ殺し」まで読み終えたので、今回はシリーズの続きと別作品を合わせて購入しました。
ティンカー・ベル殺し/小林 泰三
帰省時に小学校の同窓会に参加した井森建は、研究の疲れから会食の場で気絶してしまい、夢の中で〈蜥蜴のビル〉となって、ネヴァーランドという子供と妖精と海賊の棲むおとぎの国に紛れ込んでしまう。ピーター・パンという無邪気な少年とウェンディという優しい少女、そして妖精ティンカー・ベルに拾われる——〈アリス殺し〉シリーズ第4弾。
おとぎの国を舞台に夢と現実が交差しながら殺人事件が展開されるこのシリーズの構造が大好きで、ティンカー・ベルというキャラクターがこの世界でどんな役割を担うのか今から気になっています。「妖精なんて虫と同じだろ」というあおりがもうたまりません。

失われた過去と未来の犯罪/小林 泰三
ある日、人類は記憶障害に陥り外部装置なしでは記憶を保てなくなった。バラバラにされた心と身体が引き起こす、悲劇と喜劇。様々な生の記憶を宿す「わたし」とは一体何者なのか。壮大な物語が幕を開ける!
「全人類が記憶障害に陥った世界」というSF的な設定と、そこで起きる犯罪を絡めるという発想のぶっとび具合が気になって手に取りました。アリス殺しシリーズとはまた違う小林泰三ワールドがどんな世界観を見せてくれるのか、まっさらな状態で飛び込んでいきます。

一次元の挿し木/松下 龍之介
2025年第23回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリ受賞作。「謎の牽引力、ストーリーの面白さは、今回これがダントツ」(大森 望)「古人骨のDNA鑑定が暴く驚くべき真相!」(香山二三郎)
「このミステリーがすごい!」大賞グランプリ受賞作というだけで読む理由になりました。「古人骨のDNA鑑定が暴く驚くべき真相」という惹句が気になり始めたら止まりませんでした。松下龍之介さんの作品を読むのは今回が初めてです。どんな謎が展開されるのか、何も知らないまま飛び込んでいきます。

私雨邸の殺人に関する各人の視点/渡辺 優
嵐で別荘に閉じ込められた訳ありの11人。持ち主の資産家老人が密室で殺された。ミステリ好き大学生、雑誌編集者、無職金髪のチャラ男、自殺に失敗した謎の青年など、たまたま集ったはずなのに、メンバーに意外な関係性があった。だが、事件を解決するはずの名探偵が……いない。一体誰が事件を解決してくれるのか? 読み出すと止まらない新感覚ミステリ!
「名探偵がいない」クローズド・サークルという設定に惹かれました。嵐の孤島、密室殺人、クセのある登場人物——本格ミステリーの王道の要素が揃っているのに、探偵だけがいないという状況がどんな展開を生むのか。渡辺優さんの作品を読むのは今回が初めてです。「新感覚ミステリー」というキャッチコピーに期待しながら読み始めようと思います。

おわりに
以上、5月に購入した13冊のご紹介でした。
改めて並べてみると、島田荘司さんの御手洗潔シリーズを引き続き追いながら、澤村伊智・三津田信三・小林泰三と好きな作家の作品が揃いつつ、貴志祐介・松下龍之介・渡辺優と今回初めて読む作家さんも多いラインナップになりました。気になっていた作家に踏み込めるのも、まとめ買いのいいところだと思っています。
どれから手をつけようか、また嬉しい悩みが増えました。読了した作品は順次レビューしていきますので、またブログに遊びに来ていただけると嬉しいです。
6月の新刊情報もあわせてどうぞ。
→ [6月の新刊ミステリーをチェック!Konohaが気になった5作品まとめ]
→ [6月のホラー新刊をチェック!Konohaが気になった5作品まとめ]
*当ブログでは、ミステリー・ホラー小説の感想や選書ガイドを発信しています。次に読む一冊を探している方は、ぜひほかの記事もご覧ください。*

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