※本記事はAIを活用して作成し、管理人が内容を確認・編集しています。
本棚の住人、Konohaです。
以前このブログで、大島清昭さんの全作品をまとめた記事を書きました。その中で呻木叫子(うめききょうこ)シリーズ第4作『冷蔵庫婆の怪談』はまだ積読中とお伝えしていたのですが、ようやく読み終えることができました。
→ [大島清昭のおすすめ全作品まとめ【2026年版】どれから読む?呻木叫子シリーズ完全ガイド]
評価は★★★★。シリーズ1作目の『影踏亭の怪談』以来、久しぶりに読み応えを感じた1冊でした。
『冷蔵庫婆の怪談』とは
人けのない通りに不定形の化物が佇んでいる。そいつは子供を見つけると、人間の姿に変身し、親し気に語りかけてくるのだ。「もういーかい」 未確認動物、自殺させる呪い、児童連続殺人、幽霊屋敷……怪談作家・呻木叫子が解き明かす四つの怪異と犯罪 第17回ミステリーズ!新人賞受賞作シリーズ最新刊 地方に住む小学生の間でかつて流行していた”冷蔵庫婆(れいぞうこばばあ)”の怪談。それを模倣したような、連続児童殺害事件が発生する。被害者たちの遺体は異様な状態で冷蔵庫の中に遺棄されていた。民俗学のフィールドワークの手法を用いて怪談を執筆する作家・呻木叫子(うめききょうこ)は警察から捜査協力を要請されるが……
本作は「はざこ男の怪談」「蘆野家の怪談」「冷蔵庫婆の怪談」「満月館の怪談」という4つの物語で構成されています。都市伝説めいた不気味な噂話から始まり、呻木叫子が民俗学のフィールドワークの手法で謎を解き明かしていくという、シリーズおなじみの流れです。
収録4編のあらすじと感想
それぞれの物語について、簡単なあらすじと一言感想をまとめました。
①はざこ男の怪談
ハザコ岩の祟りによって「ハザコ男(オオサンショウウオ男)」になってしまった男が、羽衣の滝の滝壺で撮られた映像を目にしたことから始まる怪異譚。呻木叫子たちが実際に現地調査へ向かうと、その翌日、同じ滝壺で首なし死体が発見されてしまいます。これはハザコ男の仕業なのか――。
ハザコ岩の祟りの容赦なさに、まず背筋が冷えました。事件の謎自体は比較的あっさりと解かれるのですが、そこで終わらず、最後にもうひとつ別の事件へとつながっていく構成になっていて、油断できません。
②蘆野家の怪談
蘆野家の娘は25歳になると自殺してしまうという言い伝えがあり、一族が祀る屋敷神「大足様」の祟りではないかと囁かれている。大学生の蘆野蛍がその謎を調べ始めるが、調査に行き詰まったところで瀬島囁教授の紹介により呻木叫子が協力することに――。
呻木叫子が示す自殺の原因や「大足様」についての解釈には、思わず「なるほど」とうなってしまいました。民俗学的な考察が謎解きにきちんと効いていて、このシリーズらしい読み応えです。そして、蛍自身が25歳を迎えるときにどうなるのかが気になるラストで、ぞくっとさせられました。
③冷蔵庫婆の怪談
夕方、下校中や塾へ向かう途中に一人でいる小学生の前に、汚れたワンピースをまとい、背中に古い型の冷蔵庫を背負った老婆が現れる。「まーだだよ」「もういーよ」という問いかけに応じられなければ、冷蔵庫に閉じ込められて窒息死させられてしまうという都市伝説――”冷蔵庫婆”。この噂をなぞるように、全国各地で冷蔵庫に詰められた遺体が発見される事件が多発している。
口裂け女やターボばあさんに比べるとマイナーな都市伝説だという「冷蔵庫婆」ですが、なぜ犯人がこの見立てにこだわり続けるのかという謎に引き込まれました。この話単体で事件そのものへの明確な答えが示されるわけではないのですが、「そういうことかもしれない」と思わせる解釈はきちんと提示されていて、全国規模で続く見立て殺人のスケールにはただただ恐怖を感じました。
④満月館の怪談
円形の館「満月館」で起きる不可能犯罪。発見された死体には首がなく、館にまつわる数々の怪奇現象が事件と絡み合っていく。かつて呻木叫子が執筆した〈M館〉の一家惨殺事件との関連はあるのか――。
ラストで明かされる真実は、これまでの3編とは比べものにならないほど容赦がなく、読んでいて辛くなるほどでした。それでも、前の3つの怪談で謎のまま残されていたものが、この最終話でひとつずつ判明していく面白さは、やはりこのシリーズならではの醍醐味だと感じます。
見どころ:4つの怪異が積み重なっていく構成美
上でご紹介した4編は、それぞれ独立した怪異に見えて、実は少しずつ伏線が張られています。1話ずつ読んでいるときには気づかなかった繋がりが最終話でまとめて判明していく感覚は、シリーズを追ってきた読者ほど楽しめる仕掛けだと思います。
物語の端々に挟まれる民俗学の豆知識も相変わらず面白く、今回は「お金」を「お足」と見立てる言い回しの由来に触れる場面が印象に残りました。怖い話を追いながら、こうした小さな発見があるのもこのシリーズならではの魅力です。
また今回は、呻木叫子が警察から捜査協力を要請されるという立場の変化も見どころのひとつです。これまでは自らのフィールドワークの延長で事件に関わってきた彼女が、外部から巻き込まれる形になることで、シリーズの中でも少し違った緊張感が生まれていました。
こんな方におすすめ: シリーズを最初から追ってきた方、複数の短い怪異が思わぬ形でつながっていく構成が好きな方に。
おわりに
これで呻木叫子シリーズ全4作をようやく読み終えました。1作目の衝撃的な導入から始まり、民俗学的な因習ホラー、仕掛けの妙、そして今回の連作構成と、1作ごとに違う魅力を見せてくれるシリーズです。
シリーズ全体の流れやほかの作品の感想は、こちらの記事でまとめてご紹介しています。
→ [大島清昭のおすすめ全作品まとめ【2026年版】どれから読む?呻木叫子シリーズ完全ガイド]
呻木叫子シリーズ、次回作が出るのが今からとても楽しみです。またブログに遊びに来ていただけると嬉しいです。
コメント