※本記事はAIを活用して作成し、管理人が内容を確認・編集しています。
本棚の住人、Konohaです。
この夏、講談社文庫のフェア「探偵よむーく、薦めたい」の対象作品を眺めていて目に留まったのが、小野不由美さんの『くらのかみ』です。小野さんは、私の大好きな綾辻行人さんの奥さまで、館シリーズの図面づくりにも協力されている方。いつか読んでみたいと思っていた作家さんだったので、この機会にと手に取りました。
小野不由美さんの作品は、『残穢』の映画を観たことはあるものの、小説を読むのは今回が初めてです。古い屋敷に、祟りに、座敷童子。ホラー好きにはたまらない設定に期待しながら読み始めたら、怪異の中で子どもたちが推理を重ねていく、ホラーとミステリーが一冊になった物語でした。
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『くらのかみ』の評価
『くらのかみ』とは
行者に祟られ、座敷童子に守られているという古い屋敷に、後継者選びのため親族一同が集められた。この家では子どもは生まれても育たないという。夕食時、後継ぎの資格をもつ者のお膳に毒が入れられる。夜中に響く読経、子らを沼に誘う人魂。相次ぐ怪異は祟りか因縁かそれとも──。小野不由美の隠れた名作。
もともとは2003年に、「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」と銘打った講談社のレーベル「ミステリーランド」から刊行された作品で、2024年に講談社文庫に入りました。主人公は屋敷に集められた親族の子どもたち。全15章と章が短く、テンポよく進むので、普段あまり本を読まない方でもすらすら読み進められます。
『くらのかみ』の見どころ
「四人ゲーム」で増えた一人は誰なのか
物語は、退屈した子どもたちが蔵の中で「四人ゲーム」を始めるところから動き出します。真っ暗な部屋の四隅に一人ずつ立ち、順番に次の隅の人の肩を叩いていく。本当は四人では続かないはずのこのゲームが、なぜか続いてしまう……という、怪談好きならおなじみのお話です。
ゲームのあと、子どもたちは一人増えていることに気付きます。ところが、全員が顔見知りで、誰が「増えた一人」なのか分からない。屋敷を守るといわれる座敷童子がまぎれ込んだのか。この「仲間の中に人ではないものがいる」という設定が、物語の最後まで効いてきます。
祟りか、人の仕業か
この屋敷には、昔、行者を殺して沼に沈めたという言い伝えがあります。その祟りで、本家には子どもが生まれても育たない。だから跡継ぎは分家の子どもを持つ親から選ばれ、選ぶのは座敷童子だというのです。王道ながら、ぞくっとする設定です。
そんな中、跡継ぎの資格をもつ大人たちのお膳にだけ毒が入れられる事件が起きます。夜中に聞こえる読経の声、子どもたちを沼へ誘う人魂。起きる出来事はどれも祟りのようにも見えるし、誰かが仕組んだようにも見える。どちらなのか分からないまま読み進めるのが、この作品のいちばんの楽しさでした。
子どもたちが探偵になる
大人たちに話しても信じてもらえないと考えた子どもたちは、祟りではなく誰かの仕業だと考えて、自分たちで犯人を探し始めます。手がかりを集め、仮説を立て、話し合いながら少しずつ真相に近づいていく姿は、まさに探偵団。小学生くらいの子たちなのに、筋道を立てて推理していく様子にはとても感心させられました。
『くらのかみ』の感想
冒頭の「四人ゲーム」は、怪談として知っていたお話そのままだったので、正直そこまで怖くはありませんでした。実はこの作品を短編集だと思い込んでいて、このまま次の話に移るのかなと思っていたら、ここから一冊まるごと続く長編だったことに驚きました。
増えた一人が誰か分からないという不気味さに、毒入りのお膳、行者沼の言い伝えと、怪しい出来事が次々と重なっていきます。夜のトイレを怖がる子どもらしい一面があるかと思えば、人魂を見つけると迷わず追いかけていく。そのたくましさに、読みながら何度も「すごいな」と思っていました。
そして終盤。ある一つのことに気付いた瞬間、それまでばらばらだった出来事がつながり、毒を入れた犯人だけでなく「増えた一人は誰なのか」まで一気に分かる展開がとても気持ちよかったです。祟りの話だと思っていたものが、筋道立てた推理で解きほぐされていく。ホラーとミステリーの両方を味わえたのが嬉しかったです。
一方で、大人のミステリー好きとして読むと、謎の手応えには少し物足りなさも感じました。ただ、もともと子ども向けに書かれた作品だと知って、それなら納得です。最後は信じてくれる大人も現れて、温かい気持ちで本を閉じることができました。
『くらのかみ』がおすすめな人
座敷童子や祟りの言い伝えが残る屋敷のお話を、怖すぎずに楽しみたい方に。 ホラーもミステリーもこれから読んでみたいという方の、最初の一冊にもぴったりです。
一方で、次のような方には少し合わないかもしれません。
- 背筋が凍るような本格的なホラーを求めている方(怖さは控えめです)
- 複雑なトリックや、大人向けの重厚な本格ミステリーを期待している方(子ども向けに書かれた作品です)
最後の一つの気付きで、増えた一人の正体まで見えてくる気持ちよさを、ぜひ味わってみてください。
よくある質問
ホラーが苦手でも読めますか?
はい、読めると思います。祟りや人魂などの怪しい出来事は起きますが、怖がらせることよりも謎解きの楽しさが中心の作品です。グロテスクな描写もありません。私の感覚では、怖さは控えめでした。
子ども向けの作品ですが、大人でも楽しめますか?
楽しめます。私も大人として読みましたが、一つの気付きからすべてがつながる終盤はとても気持ちよかったです。ただ、大人向けの本格ミステリーと比べると謎の手応えは軽めなので、「さらりと読める一冊」と思って手に取るのがおすすめです。
ホラーとミステリー、どちらの要素が強いですか?
私はミステリーの要素のほうが強いと感じました。座敷童子や祟りといったホラーの設定を舞台にしながら、物語の中心にあるのは「誰が毒を入れたのか」「増えた一人は誰なのか」を子どもたちが推理していく謎解きです。
「四人ゲーム」を知らなくても大丈夫ですか?
大丈夫です。ゲームのやり方は作中で説明されるので、知らなくてもまったく問題なく読めます。知っている方は、おなじみの怪談がどう物語につながっていくのかを楽しめると思います。
おわりに
綾辻行人さんつながりで気になっていた小野不由美さん。初めて読んだ『くらのかみ』は、祟りと座敷童子の怪しい雰囲気の中で、子どもたちの推理が光るやさしい一冊でした。映画で観た『残穢』も、いずれ小説で読んでみたいと思っています。
小野さんのパートナーである綾辻行人さんの作品は、全作品まとめでご紹介しています。館シリーズから深泥丘奇談シリーズまで、次の一冊選びにお役立てください。
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