女ふたりの異常な依存が牙をむく!芦沢央『悪いものが、来ませんように』感想レビュー【ネタバレなし】

悪いものが来ませんように レビュー

※本記事はAIを活用して作成し、管理人が内容を確認・編集しています。

本棚の住人、Konohaです。

芦沢央さんの作品を読むのは、これで3冊目になります。『火のないところに煙は』の実話怪談風の構成にまず引き込まれ、続けて読んだ『許されようとは思いません』がとても好きだったので、次はどれを読もうかと思っていたときに手に取ったのが本作『悪いものが、来ませんように』でした。タイトルからしてただごとではない不穏さが漂っていましたが、読み終えてみると、期待以上に息苦しくて、そしてどこまでも巧妙な1冊でした。今回はネタバレなしで感想をまとめます。

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『悪いものが、来ませんように』の評価

Konoha

Konohaの評価

  • おすすめ度 ★★★★☆
  • どんでん返し度 ★★★★☆
  • 読み心地の重さ ★★★★★
  • 読みやすさ ★★★★☆

読んでいる間ずっと胸がざわざわする、という意味で「悪いもの」というタイトルに嘘はありませんでした。決して明るい話ではありませんが、ページをめくる手は止まらず、終盤の展開にはまんまと驚かされた1冊です。


『悪いものが、来ませんように』とは

幼なじみの紗英と奈津子、それぞれの孤独と閉塞感がじっくり描かれたのち、紗英の夫が変死体で見つかったことをきっかけに、二人の関係が少しずつ変質していく物語です。


『悪いものが、来ませんように』の見どころ

二人の女性の内面と、周囲の証言が交互に積み重なる構成

物語は紗英と奈津子、それぞれの視点の章が交互に進んでいきます。そこに、二人を知る周囲の人物への聞き取りのような形式の断片が挟み込まれ、当人たちの内面だけでは見えてこない「外から見た二人」の姿が浮かび上がってくる作りになっています。この多層的な語り口のおかげで、読者は誰よりも早く違和感に気づかされる場面もあれば、逆にまんまと出し抜かれる場面もあり、最後まで気を抜けませんでした。

依存と孤独が生む息苦しさ

不妊と夫の浮気に悩む紗英、育児と孤立に疲れ果てた奈津子。どちらも決して特殊な事情ではなく、誰にでも起こりうる孤独が丁寧に描かれているからこそ、二人が互いにのめり込んでいく過程が他人事に思えませんでした。事件が起きるずっと前から、この関係のいびつさにじわじわと不穏さを感じさせる筆致が見事です。

終盤で一気に色を変える真相

各章に散りばめられた小さな違和感が、終盤で驚くほど鮮やかに反転します。具体的な内容には触れられませんが、「そういうことだったのか」と読み返したくなる伏線の張り方に、思わず唸らされました。


『悪いものが、来ませんように』の感想

読み始めてしばらくは、二人それぞれの孤独や不満が丁寧に積み重ねられていく展開で、正直なところ紗英の受け身な性格にもどかしさを感じる場面もありました。ですが、その「もどかしさ」自体が終盤にきちんと意味を持って返ってくると分かったとき、序盤の読みにくさすら伏線だったのかと驚かされました。

とくに印象的だったのは、周囲の人物への聞き取りのような断片が挟まるたびに、紗英と奈津子の関係が少しずつ違って見えてくる感覚です。当人たちの語りだけを信じていると足元をすくわれる、まさに芦沢央さんらしい心理サスペンスの巧さを堪能しました。

読み終えた直後は、後味の重さにしばらく本を閉じたまま放心してしまいましたが、それでもまた芦沢央さんの作品を読みたくなる、そんな読書体験でした。


『悪いものが、来ませんように』がおすすめな人

二人の女性の歪な依存関係をじっくり読ませる心理サスペンスが好きな方に。 どんでん返し・イヤミス好きの方にも自信を持っておすすめできます。

一方で、次のような方には少し重く感じるかもしれません。

  • 育児・不妊・毒親といったテーマを扱った、息苦しい人間ドラマが苦手な方
  • 読後に爽快感やカタルシスを求める方(後味の重さも含めて味わう作品です)

それでも、終盤まで気を抜かせない構成と、読み終えたあとに序盤を読み返したくなる伏線の巧みさは、ミステリー好きなら一度は体験してほしいと思える1冊でした。


よくある質問

質問

芦沢央さんの作品を読むのは初めてでも楽しめますか?

回答

はい、まったく問題ありません。本作はシリーズものではなく独立した長編なので、初めて芦沢央さんの作品を手に取る方でも安心して読み始められます。

質問

ホラーですか、それともミステリーですか?

回答

超常的な怖さを描いたホラーではなく、人間関係の歪さがじわじわと効いてくる心理サスペンス・イヤミスです。理屈で説明できない怖さではなく、「誰にでも起こりうる」息苦しさが怖いタイプの作品です。

質問

どんでん返しはありますか?

回答

はい、あります。終盤で物語の見え方が大きく変わる仕掛けがあり、具体的な内容は書けませんが、読み終えたあとに序盤を読み返したくなるタイプのどんでん返しでした。

質問

ネタバレなしで楽しめますか?

回答

はい、この記事でも事件の真相や結末には一切触れずにご紹介しています。何も知らない状態で読んだほうが、終盤の驚きを存分に味わえる作品だと思います。


おわりに

芦沢央さんの作品はこれで3冊目でしたが、読むたびに「人はここまで他人に依存できるのか」と考えさせられる筆致に感心させられます。決して明るい読後感の作品ではありませんが、それでも次の1冊にまた手を伸ばしたくなる、そんな作家さんです。芦沢央さんの他の作品もまだまだ積読が残っているので、近いうちに読み進めていきたいと思います。

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