※本記事はAIを活用して作成し、管理人が内容を確認・編集しています。
本棚の住人、Konohaです。
先日『あかずめの匣』のレビュー記事を書いた際、「滝川さりさんのほかの作品も、これから追いかけていきたい」と書きました。ちょうど気になっていたところに、積読していた『ゆうずどの結末』も読み終えることができたので、今回は滝川さりさんの全作品を整理してみることにしました。2026年8月時点で刊行されている6作品が対象です。
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滝川さり キャリア年表
※「評価」は読了済み作品のみ、「気になる度」は積読・未読作品への注目度の目安です。
- 2019年10月お孵り
気になる度: ●●○ 因習・伝承ホラー第39回横溝正史ミステリ&ホラー大賞〈読者賞〉受賞・デビュー作
- 2020年10月
気になる度: ●●○ 見える人/見えない人の恐怖
- 2022年10月
気になる度: ●●● いじめ×小人モチーフ
- 2024年02月
評価:★★★★☆ 本を使った仕掛け系
- 2025年03月
評価:★★★★★ 因習ホラー×謎解き
- 2025年07月
めぐみの家には、小人がいる。文庫版
まずはこの1冊から
迷ったら、まずは『あかずめの匣』から読んでみてください。冠村に伝わる怪異「あかずめ」をめぐる4人の物語がバラバラに進み、最後に一本の線としてつながっていく構成で、初めて読む作家さんでしたがいきなり★5をつけたくなる読書体験でした。滝川さりさんの持ち味が一番わかりやすく味わえる入り口だと思います。
→ [呪いの条件を見破れるか?滝川さり『あかずめの匣』感想レビュー【ネタバレなし】]
滝川さりという作家
滝川さりさんは1992年生まれ、兵庫県神戸市出身の作家です。大学職員として働きながら執筆を続けています(出典:[booklog 著者ページ])。
2019年、「卵から孵る老人」というアイデアと、生まれ変わりにまつわる都市伝説を掛け合わせた『お孵り』で第39回横溝正史ミステリ&ホラー大賞〈読者賞〉を受賞しデビューしました。同じ賞の〈読者賞〉出身の作家としては、以前ご紹介した[織部泰助さん](第44回受賞)もいて、この賞から出てくる作家さんには毎回注目しています。
応募のきっかけは配偶者の勧めだったそうで、当時新婚で配偶者の実家が山深い村だったことが、作品の舞台設定にも影響を与えたのだとか。影響を受けた作品として筒井康隆さんの『時をかける少女』『走る取的』、そして岩井志麻子さんの『ぼっけえ、きょうてえ』を挙げていて、特に後者は繰り返し読むほどの愛読書で、方言の使い方にも影響を受けているそうです(出典:[カドブン「【キャラホラ通信10月号】『お孵り』刊行記念 滝川さりインタビュー」])。
作品を読んでいて感じるのは、村や旧家に伝わる因習・伝承をモチーフにしながら、「呪いの条件」を読者自身に推理させる仕掛けや、本という物自体を使ったメタ的な恐怖演出が得意な作家さんだということです。『あかずめの匣』も『ゆうずどの結末』も、そうした持ち味がよく表れた作品でした。
滝川さりの全作品を紹介(刊行順)
滝川さりさんはシリーズものを持たず、1冊ごとに舞台も設定も異なるホラー小説を発表しているのが特徴です。刊行順に紹介します。
デビュー作:お孵り(2019年)
結婚の挨拶のため、婚約者・乙瑠の故郷を訪れた佑二。そこは生まれ変わりの伝説がある村だった。やがて乙瑠は村で里帰り出産をすることになったが、子供は生まれ変わりを司る神として村に囚われてしまい!?
第39回横溝正史ミステリ&ホラー大賞〈読者賞〉を受賞したデビュー作です。生まれ変わりの伝説が残る村を舞台にした因習ホラーで、村社会特有の閉塞感と、逃れられない伝承の重みが色濃く出ていそうな一冊だと感じています。デビュー作からいきなり受賞するだけの完成度、というのも気になるポイントです。
こんな方に: 村社会の因習・伝承ホラーが好きな方に。滝川さりさんの原点を知りたい方にもおすすめです。
おどろしの森(2020年)
尼子拓真は新築一軒家を購入し幸せの絶頂だった。だが家の中でお香の匂いや女の笑い声がし出すように。なぜかそれは拓真にしか感じられず、霊能者にも異常ないと言われてしまう。この家に隠された秘密とは。
新築の一軒家に起きる怪異を、家族の中でも「見える人」と「見えない人」がいるという構図で描いた作品のようです。誰にも信じてもらえないまま一人で怪異と向き合う怖さは、想像するだけでじわじわきます。
こんな方に: 新築・一軒家を舞台にした家族ホラーが好きな方に。
めぐみの家には、小人がいる。(2022年/文庫版『くたばるの小人』2025年)
群集恐怖症の小学校教師、美咲はクラスのいじめに手を焼いていた。ターゲットは〈悪魔の館〉に住む転校生のめぐみ。不登校のめぐみと始めた交換日記には「ひみつの友だち」だという無数の小さな目を持つグロテスクな小人が描かれていた。ある日、いじめの主犯が館で穴だらけの死体で見つかるが……。決して小人を怒らせるな! 異形蠢くパニックホラー。
2022年に幻冬舎から刊行された単行本『めぐみの家には、小人がいる。』が、2025年に『くたばるの小人』とタイトルを変えて幻冬舎文庫化された作品です(内容は同じ物語です)。書店やネットで探すときは、単行本と文庫でタイトルが違う点に注意してください。群集恐怖症の教師といじめのターゲットになる転校生、そのあいだで交わされる交換日記に描かれる”小人”というモチーフが不穏で気になっています。
こんな方に: いじめ・学校を舞台にしたホラーが好きな方に。
ゆうずどの結末(2024年)★★★★
こんな結末は耐えられないーー。大学に入学して3か月、菊池斗真はサークルの同級生・宮原の投身自殺を目撃してしまう。死因に不審な点もなく遺書もあったことから、彼女の死は自殺と断定された。宮原の死から数日後、菊池は同じサークルに所属する先輩の…
菊池斗真、牧野伊織、藤野翔太、青井克生、そして滝川さり本人名義の最終章——5人の視点が入れ替わりながら進んでいく構成で、それぞれの章でじわじわと「ゆうずど」という呪いの正体が明かされていきます。章が変わるたびに主人公も雰囲気もガラッと切り替わるので、てっきりこういう人物だろうと思い込んで読んでいたら見事に裏切られる瞬間もあり、ミステリーとしての仕掛けもしっかり効いています。
何より面白かったのが、”呪いのリミット”がしおり(栞)の位置で示されるという仕掛けです。本という物自体を使ったホラー演出になっていて、ページをめくる手そのものが物語に組み込まれる感覚がありました。最終章は「滝川さり」本人名義になっていて、この本自体の成立過程が語られていくのですが、まるで本当に呪いの本を読んでいるような気分になってぞくっとしました。
こんな方に: 本という物自体を使った仕掛け系ホラーが好きな方に。複数の視点が切り替わりながら進む構成が好きな方にもおすすめです。
読み終えての実感としては、キンドルより紙の本で読んだほうが面白いと思います。”栞の位置”の仕掛けは電子書籍だと体感しにくいので、可能なら紙の本を手に取ってみてください。

「『あかずめの匣』と比べると、伏線の緻密さ・つながる瞬間の気持ちよさはあちらが一枚上だと感じます。でも”本”という物自体を使った仕掛けの面白さでは、こちらに軍配が上がります」
あかずめの匣(2025年)★★★★★
冠村に伝わる怪異「あかずめ」をめぐって、4人の視点の物語がバラバラに進み、エピローグで一本の線としてつながっていく一冊です。「呪いの条件を見破れるか」という挑戦状のような一文の通り、断片的な手がかりから自分なりに謎を推理していく感覚が新鮮で、初めて読む作家さんでしたがいきなり★5をつけたくなる読書体験でした。詳しい感想は別記事にまとめています。
→ [呪いの条件を見破れるか?滝川さり『あかずめの匣』感想レビュー【ネタバレなし】]
こんな方に: 村や旧家に伝わる因習・怪異をモチーフにしたホラーが好きな方に。複数の視点が最後につながる構成が好きな方にもおすすめです。
初めて読む作家さんでここまで満足度の高い読書体験に出会えるとは思っていませんでした。民俗学ホラーが好きな方は、ぜひ手に取ってみてください。

「今のところ滝川作品で一番好きなのはこの1冊です。伏線の張り方のきれいさが、読み終えたあとの満足感に直結していると思います」
よくある質問
- Q滝川さりは何冊出版していますか?
- A
2026年8月時点で6作品刊行しています(『めぐみの家には、小人がいる。』の文庫版『くたばるの小人』を含む、実質5作品5タイトル)。デビューから約6年でこのペースなので、これから読み始めても十分に追いかけやすい作家さんです。
- Q最初に読むならどれがおすすめですか?
- A
『あかずめの匣』がおすすめです。4人の視点がバラバラに進み最後につながる構成で、滝川さりさんの持ち味が一番わかりやすく味わえる入り口だと感じています。
- Qシリーズ作品はありますか?
- A
いいえ、滝川さりさんはシリーズものを持たず、1冊ごとに舞台も設定も異なるホラー小説を発表しているのが特徴です。
- Qホラー初心者でも読めますか?
- A
はい。特に『あかずめの匣』は「呪いの条件を見破れるか」という挑戦状のような一文の通り、謎解き要素の強いホラーミステリーです。純粋な怪談よりも物語や伏線を追う楽しさが中心なので、ミステリーが好きな方ならホラー初心者でも入りやすい作品だと思います。
まとめ:どれから読む?
迷ったときのおすすめルートをまとめます。
| こんな方に | おすすめの1冊 |
|---|---|
| 滝川さりさんが初めての方 | あかずめの匣 |
| 本という物自体を使った仕掛け系ホラーが好きな方 | ゆうずどの結末 |
| 村社会の因習・伝承ホラーが好きな方 | お孵り |
| 家族の中で”見える人・見えない人”がいる怪異ものが好きな方 | おどろしの森 |
| 学校・いじめを舞台にしたホラーが好きな方 | めぐみの家には、小人がいる。(くたばるの小人) |
2019年のデビューから6年ほどで6作というペースなので、まだ十分に追いかけやすい作家さんです。積読の3冊も、読み終えたら順次このブログでレビューしていくつもりです。「呪いの条件」を読者自身に解かせる仕掛けと、村や旧家の因習をモチーフにした不穏な世界観、どちらも今後も追いかけていきたいと思わせてくれる作家さんでした。
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