※本記事はAIを活用して作成し、管理人が内容を確認・編集しています。
本棚の住人、Konohaです。
以前『文庫版 近畿地方のある場所について』を読んで★4をつけていた背筋さんですが、積読にしていた短編2作、『目が』と『口に関するアンケート』をまとめて読み終えました。どちらも30〜40ページほどとさっくり読める分量なのですが、読み終えてから「あれ、この証言って全部繋がっていたのでは」と気づかされる仕掛けに、思わず唸ってしまいました。今回はネタバレなしで、2作まとめて感想をご紹介します。
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『目が』の評価
おすすめ度:★★★☆☆
怖さ:★★★☆☆
独創性:★★★★☆
読みやすさ:★★★★★
有名な心霊系の「霊感テスト」から始まる導入の不穏さと、複数の「私」の視点が終盤で一本に繋がる構成の面白さは光っていました。ただ、ページ数の短さゆえに「もう少し読みたかった」という物足りなさも正直に残った1冊です。
『目が』とは
目が
あなたを見ています
背筋(せすじ)
『近畿地方のある場所について』(KADOKAWA)で2023年にデビュー。同作が『このホラーがすごい! 2024年版』(宝島社)国内編第1位を獲得。近著に『穢れた聖地巡礼について』 (KADOKAWA)、『口に関するアンケート』(ポプラ社)など。
ネット上でよく見かける「霊感テスト」の紹介から始まり、そこから派生するように、視線にまつわるいくつかの体験談が語られていく短編です。学生の視線研究、監視バイト、”ポイント集め”——一見バラバラに見えるいくつかの話が、最終章で思わぬ形に繋がっていきます。
『目が』の見どころ
「見る」と「見られる」を反転させる導入
冒頭で紹介される霊感テストは、目を閉じて、自分の家を想像し、家中の窓を開けていき、その後開けた順番と逆に閉めていき、その間に誰かいたり会ったりしたら霊感があるという定番の手順から始まりますが、そこに「幽霊を見るということは、幽霊に見られているということ」という一言が添えられることで、一気に居心地の悪さが増します。読んでいるこちらまで、何かに見られているような感覚にさせられる導入でした。
独立した体験談が終盤で繋がる連作構成
視線にまつわる研究の話、怪しいバイトの話、ポイントを集める話——一見それぞれ独立した怪異譚のように読めるのですが、最終章になってそれぞれの話が思わぬ形で一本に繋がっていることに気づかされます。読み終えたあとに最初から読み返したくなる仕掛けで、短いページ数の中によく詰め込んだなと感心しました。
『目が』の感想
序盤はそれぞれ独立した怪異譚として、軽い気持ちで読み進めていました。研究室の先輩の話や、監視バイトの話はそれぞれに違った怖さがあり、特に監視バイトの話は、安全圏から一方的に見ていたはずなのに、いつの間にか自分も見られているような感覚に変わっていく怖さが印象的でした。
終盤で明かされる繋がりに気づいたときは「そういうことだったのか」と素直に驚かされましたが、その分、明かされたあとの余韻を味わう前にページが尽きてしまった感覚もありました。仕掛け自体はとても面白いので、もう少しボリュームがあれば、より深く怖がれたのではと思います。
『目が』がおすすめな人
独立した話が終盤で一本に繋がる構成のホラーが好きな方に。 短時間でさっくり読めるので、ホラー初心者の1冊目としても手に取りやすいと思います。
一方で、次のような方には少し物足りないかもしれません。
- じっくり長編を読みたい方(30ページほどのボリュームで、短さが持ち味です)
- 派手な恐怖描写を求める方(じわじわ系の不穏さが持ち味です)
『口に関するアンケート』の評価
おすすめ度:★★★★☆
怖さ:★★★★☆
独創性:★★★★★
読みやすさ:★★★★★
インタビュー音声記録という体裁で語られる6人分の証言が、最後の「アンケート」パートで一気に不穏な意味を帯びてくる構成にやられました。短いページ数なのに、再読することでさらに怖さが増す仕掛けまで用意されている、完成度の高い1冊です。
『口に関するアンケート』とは
口に関するアンケート
「口からセミの鳴き声が聞こえたんです」
背筋(せすじ)
「近畿地方のある場所について」(KADOKAWA)で2023年にデビュー。同作が「このホラーがすごい! 2024年版」にて1位に。近著に「穢れた聖地巡礼について」 (KADOKAWA)など。
ある肝試しに参加した学生たちへのインタビュー、という体裁で物語が進む短編です。参加者それぞれの証言が積み重なっていくうちに、その夜に何が起きたのかが少しずつ見えてくる——と思いきや、証言の合間に挟まれる違和感が、読み手の不安をじわじわと煽っていきます。
『口に関するアンケート』の見どころ
インタビュー形式で少しずつ食い違う証言
肝試しに参加した複数人へのインタビューという体裁で物語が進み、それぞれの証言を読み比べていく過程がこの作品最大の魅力です。ある人は「何も見ていない」と話しているのに、別の人の証言では違うことが語られていたり——証言同士の食い違いに気づくたびに、ゾクッとさせられました。
終盤の「アンケート」パートで一変する読み味
インタビューパートが終わったあと、今度は読者自身が「アンケートにご協力ください」と呼びかけられる構成に切り替わります。この唐突な仕掛けによって、それまで他人事として読んでいた証言の意味がまったく違って見えてくる、この作品ならではの読書体験でした。
再読することで真相の輪郭が見えてくる短さ
ページ数が少ないからこそ、一度読み終えたあとにすぐ読み返せるのもこの作品の強みです。1回目には気づかなかった証言同士の矛盾や違和感が、2回目にはくっきりと見えてきて、読むたびに怖さが増していく作りになっています。
『口に関するアンケート』の感想
最初はよくある「肝試しで起きた出来事」の証言インタビューかと思って読み進めていたのですが、証言者ごとに微妙に話が噛み合っていないことに気づいてからは、一気に緊張感を持って読むようになりました。
特に終盤の「アンケート」への切り替わりは、それまでインタビューを読んでいただけの自分がいきなり作品の中に引きずり込まれるような感覚があり、短編とは思えないほどの読後感を残してくれました。読み終えてすぐにもう一度最初から読み返してしまうくらい、後を引く1冊でした。
『口に関するアンケート』がおすすめな人
証言・インタビュー形式でじわじわ真相に迫っていくホラーが好きな方に。 再読することでさらに怖さが増す仕掛けを楽しみたい方にもおすすめです。
一方で、次のような方には少し肌に合わないかもしれません。
- 怪異の因果関係がすべて明確に説明されるタイプを好む方(証言の食い違いから読み手が想像で補う余地を残すタイプの作品です)
- じっくり長編を読みたい方(30ページほどのボリュームで、短さが持ち味です)
正直、この短さでここまでの読後感を残せる短編にはなかなか出会えないと思っています。
よくある質問
- Q『目が』『口に関するアンケート』はどちらから読むべきですか?
- A
どちらも独立した短編なので、読む順番は自由です。ただ、証言・インタビュー形式の仕掛けをより強く味わいたい方には『口に関するアンケート』から読むのがおすすめです。
- Q『近畿地方のある場所について』を読んでいなくても楽しめますか?
- A
はい、まったく問題ありません。今回の2作はどちらも独立した短編で、デビュー作を読んでいなくても安心して楽しめます。ただし、背筋さんの持ち味である「証言・記録形式」の語り口は共通しているので、気に入った方はデビュー作もぜひ手に取ってみてください。
- Qネタバレなしで楽しめますか?
- A
はい、この記事では終盤で明かされる証言同士の繋がりや真相には一切触れずにご紹介しています。証言を読みながら「何かがおかしい」と気づいていく過程そのものが醍醐味の作品なので、まっさらな状態で読み始めるのがおすすめです。
- Qどちらが怖いですか?
- A
個人的には『口に関するアンケート』のほうが怖さ・完成度ともに一段上だと感じました。ただ、『目が』の「見る/見られる」を反転させる導入の不気味さも捨てがたい魅力です。
おわりに
どちらも30〜40ページほどとさっくり読める短編でしたが、証言や記録を積み重ねて少しずつ真相に迫っていく背筋さんならではの語り口は、この短さの中にもしっかり詰まっていました。特に『口に関するアンケート』の終盤の切り替わりには、読み終えたあとすぐにもう一度最初から読み返したくなるほどの後を引く怖さがありました。短時間で読めるからこそ、ホラーを読み慣れていない方の1冊目としてもおすすめしやすい2作です。背筋さんの作品はまだ『穢れた聖地巡礼について』が積読に残っているので、近いうちに読み進めていきたいと思います。
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